オルソケラトロジーの効果はどれくらいで現れるの?
これからオルソケラトロジー治療を始める方から「オルソケラトロジーの治療効果はどのくらいで現れるの?」と聞かれることがあります。
治療を始めてから、一体どれくらいの期間で裸眼生活ができるようになるか、気になるところですよね。
ここでは、そのような疑問にお答えしていきます。
治療効果が現れるまでの期間は、①治療開始前の近視・乱視度数、②オルソケラトロジー装用時間、③年齢によって決まってきます。
① 治療開始前の近視・乱視度数
軽度近視の方の場合、早ければ装用後数時間で効果を実感できます。
中等度以上の近視や乱視がある方だと、大抵の場合、装用開始1-2週間くらいまでの間に視力が安定してきます。
近視や乱視が強い方の場合、数回のレンズ交換が必要となり、安定するまでに1ヶ月以上かかることもあります。
近視や乱視の度が強くなればなるほど、オルソケラトロジーの効果が現れるまで時間がかかるということですね。
オルソケラトロジー治療は、特殊なハードレンズにより、眼の表面の角膜の形状を矯正し、近視や乱視を矯正する治療法です。
近視や乱視の度数が強い場合、矯正しなければならない量が多いので、それだけ効果出現まで時間がかかるのです。
場合によっては、何度もレンズ交換を行う必要があります。
そこで、契約時に確認して頂きたいのが、レンズ交換時にかかる費用です。
定額制を導入している施設では、角膜の形状変化に伴うレンズ交換を無料で行えるところもあり、安心して治療を受けることができますよ。
② オルソケラトロジー装用時間
オルソケラトロジー治療は、就寝前にレンズを装用し、翌朝、起床時にレンズを外します。
つまり、睡眠時間=治療時間になります。
睡眠時間が長いと治療時間も長くなり、オルソケラトロジーの効果が現れる期間も短くなります。
忙しくてなかなか睡眠時間を確保できないも多いと思いますが、最低でも6時間以上は装用するよう心がけましょう。
原則として、毎晩装用して頂く必要がありますが、一部の方は、安定すると1-2日おきの装用でも裸眼で生活できる場合があります。
とは言いつつ、毎晩の装用が基本ですので、眼にトラブルがない限りは毎晩装用するようにしましょう。
③ 年齢
オルソケラトロジー治療は、お子様に最も適した近視矯正治療法です。
「日中裸眼で生活できる」ことに加え、「近視進行抑制効果」が提唱されていることから、眼の成長期にあたる小児の時期に治療を行うことはとても理にかなっているといえます。
種々の論文にて、オルソケラトロジーレンズの装用は成長期の子供の近視進行予防に非常に効果的である事が報告されています。
【5歳、6歳の小児に対して行ったオルソケラトロジー2年間の治療成績(臨眼 72(5): 729-733 , 2018.)】
小児の時期は、睡眠時間も確保しやすいことから、治療効果も早期に現れやすくなります。
また、成人と比較し、眼の表面の角膜が軟らかいことから、レンズによる矯正効果を得られやすくなります。
「小さな子供にレンズを装用させて大丈夫なの?」という声も聞かれますが、オルソケラトロジーレンズを装着するのは、睡眠時のみです。
就寝前にレンズを装着し、起床後すぐレンズを外します。
つまり、レンズの装脱が親の目が届く時間にできるので、安心して治療を行うことができます。
レンズのケアについても、親御さんが行うことができるので安心です。