オルソケラトロジーレンズ付け外しのコツ

今回は、オルソケラトロジーレンズ付け外しのコツについてご紹介します。

慣れてしまえば、1分もかからず付け外しができるようになりますが、慣れるまでは、苦労される方も多いと思います。

特に朝、レンズを外すときになかなか外すことができず、学校に遅刻しそうなんてことも!

レンズ付け外しにお困りの方は、ぜひ参考にしてみてください。

 

レンズ装着編

  • 瞼を大きく開瞼する

オルソケラトロジーレンズは、眼の表面の角膜(黒目のところ)に装着します。

オルソケラトロジーレンズの直径は、メーカーにより若干の差はありますが、10mm-11mm程度です。

一般的なソフトコンタクトレンズの直径は、13mm-15mmですので、オルソケラトロジーレンズの方が小さいことが分かります。

よって、ソフトコンタクトレンズよりも、オルソケラトロジーレンズの方が装着しやすいと言えます。

 

レンズ装着時は、できる限り大きく開瞼し、レンズが瞼に当たらないようにする必要があります。

右利きの場合、右手の人差し指にレンズを乗せ、右手の中指を使って下瞼を下げ、左手の中指or人差し指で上瞼を上げると効果的でしょう。

まずは、レンズを乗せる前に、この基本動作を鏡の前で練習してください。

 

大きく開瞼できるようになったら、レンズ装着を行いますが、実際にレンズが目に近づいてくると、目を閉じてしまう人が多いです。

鏡の中の自分を見てレンズを強く意識しないようにしたり、開瞼する手の力を加えたりと、工夫しながら装着してみてください。

慣れてくると、意識せずとも開瞼できるようになります。

 

  • 目線をやや下にする

オルソケラトロジー治療は、小児の方も多く治療されています。

慣れるまでは、レンズの付け外しを親御さんがされているご家庭も多いです。

レンズが近づいてくると、怖がって目を閉じてしまうお子様も多いのではないでしょうか?

なかなかレンズを装着することができず、ケンカに発展してしまうこともあるかもしれません。

そんな目を閉じてしまうお子様にレンズを装着する際のワンポイントが「目線をやや下にする」ことです。

 

人間の目は、瞼を閉じると、眼球が上を向く性質を持っています。

これを専門用語でBell現象と言います。

瞼を閉じることにより、眼瞼挙筋(瞼を上げる筋肉)の緊張が低下すると、上直筋(主に眼球を上方向へ動かす筋肉)の緊張が増加して、眼球が上を向きます。

 

よって、レンズを怖がって目を閉じてしまうと、無意識に眼球が上を向いてしまい、そのまま無理やりレンズを装着すると、白目の部分にレンズが乗ってしまうことがあります。

誤ってレンズが白目に乗ってしまうと、違和感や痛みが強く出てしまいます。

まさに泣き面に蜂です。

 

それを防ぐためには、強く閉瞼しようとしている時に、無理やりレンズを入れないことです。

そして、目線の少し下方にある目標物を見てもらうと良いでしょう。

鏡の中の自分の口元を見てもらったり、身の周りにある目標物を見てもらったりしても良いです。

レンズが近づいてきても、目標物をしっかり見るよう意識してもらうと、意外とすんなり装着できたりします。

 

下を向いてもらっている時でも、黒目の中心にレンズを乗せるようなイメージで装着しましょう。

最後は、レンズを乗せやすいように「もう少し下」「少し上に戻って」など、口頭で微調整を行うと良いでしょう。

 

  • 迷わずスピーディーに

レンズ装着は迷わずスピーディーに行います。

せっかく大きく開瞼して準備ができていても、レンズ装着直前で躊躇してしまっては、元も子もなくなります。

レンズが目の前にあることで、余計に怖がらせてしまうでしょう。

しっかり開瞼できており、眼球がしっかり正面、またはやや下方を向けていれば、躊躇せず、レンズを装着しましょう。

このあたりはお子様との意思疎通が肝心です。

 

レンズ装脱編

  • レンズがきちんと角膜に乗っているかを確認する

オルソケラトロジー治療は、就寝時にレンズを装着することで角膜の形状を矯正します。

翌朝の起床時にレンズを外しますが、レンズが角膜上に乗っているものだと思い込み、何度も外そうと試みたものの、「実はレンズがずれていて白目に乗っていた」なんてことがあります。

「いつの間にかレンズが外れて布団に落ちていた」ということもあるようです。

レンズがないのに角膜に何度もスポイトを当てていたと思うと、ゾッとしますよね。

 

そんな失敗がないように、レンズ装脱前には必ずレンズが角膜上に乗っているかの確認を行うようにしましょう。

透明のレンズは少し見分けがつきにくいですが、光を当てると分かりやすくなります。

自宅にペンライトはないと思いますので、スマホのライトを点灯させても良いでしょう。

真正面からライトを当てると眩しいので、下方や側方から光を当てると良いでしょう。

良く見ると、レンズがエッジ(角)の部分が見えると思います。

 

また、レンズが眼球にひっついている場合もあります。

レンズ装脱前は、必ず人口涙液等の目薬を点眼してから外すようにしましょう。

 

  • スポイトの正しい使用方法を知る

オルソケラトロジーキットの中に、レンズ装脱用のスポイトが付いていると思います。

このスポイトの正しい扱い方を知らない方が意外と多いです。

付属するスポイトはメーカーによって異なりますので、使用方法をよく読んでからレンズ装脱を行ってください。

スポイトの種類によっては、レンズを吸着させるときにつまむ箇所、吸着させたレンズを外すときにつまむ箇所が分かれている場合があります。

間違って使用すると、いつまで経ってもレンズが外せない、なんてこともあるので使用方法は必ずチェックしてください。

 

また、レンズ装着時と同じく、しっかり開瞼している状態で外すようにしましょう。

そして、レンズの中央部を目指してスポイトを吸着させます。

レンズが吸着したことを確認したら、スポイトをやや下方にひくような形で目から離してください。

この方法でレンズ装脱を行うとスムーズにいくはずです。

 

 

いかがでしたでしょうか?

最初はどうしても時間がかかってしまうと思いますが、諦めずに毎日チャレンジしてみてください。

1週間、1ヶ月経てば、次第に慣れてきて、時間をかけずにレンズの付け外しができるようになっているはずです。

この記事を参考にして頂き、快適なオルソケラトロジーライフを!!