ここでは、屈折矯正治療のオルソケラトロジーとレーシックを比較してみましょう。
みなさんは、レーシックという治療法をご存知でしょうか?
レーシックは、レーザーを眼の角膜に照射することにより、角膜の形を整えることで、近視を矯正する治療法です。
世界初のレーシックは1990年にギリシャで施行されました。
アメリカでは1998年から、日本では2000年1月から厚生労働省の認可がおり、使用可能となりました。
2000年以降、日本でもレーシックブームがありましたよね。
現在は、少し下火になってきていますが、日本で治療が認可されてから20年以上経過し、確立されている近視矯正治療法の1つとなっています。
そんなレーシックとオルソケラトロジーを比較していきましょう。
オルソケラトロジーの特徴
メリット
- 日中は裸眼で生活できるようになる
- 近視進行を抑える効果がある
- 手術が不要
- レンズ装用をやめると角膜の形状を元に戻せる
- 裸眼でスポーツができる
- マリンスポーツに最適
- 親の目の届く時間に装脱するため、親の管理のもとに治療ができる
デメリット
- 強度の近視・乱視には適応限度がある
- 裸眼視力が出るまでの時間に個人差がある
- 慣れるまでレンズ装用時に違和感を覚えることがある
- 暗い場所で光がにじんで見えることがある
- 毎日のケアが必要
- 自由診療のため費用がかかる
- 遠視の矯正は不可
レーシックの特徴
メリット
- 裸眼で生活できる
- 手術が終われば比較的早期に見えるようになる
- 術後の点眼が終われば、その後はメンテナンスフリー
デメリット
- レーザーで角膜を削る為、元に戻すことができない
- 近視が矯正され遠くが見えるようになっても、老眼が出れば手元が見にくくなる
- 近視の戻りが生じることがある
- 術後、ドライアイになることがある
- 車のヘッドライト等の光を眩しく感じることがある
- 保険適用外のため費用がかかる
裸眼で過ごせるようになる!
オルソケラトロジーもレーシックも、治療後、裸眼で生活できるようになることは、大きなメリットです。
眼鏡やコンタクトレンズを装用しなくてもスッキリ見ることができると、毎日が快適ですよね。
スポーツをされる方だと、更に大きな恩恵を受けられるでしょう。
ゴールは同じ、でも治療内容は全く違う!
「裸眼で生活できるようになる」ことは、オルソケラトロジー、レーシック治療共に共通の目標になりますが、その治療内容は大きく異なります。
オルソケラトロジーは、就寝時に特殊なレンズを装用することで角膜の形を整え、近視を矯正する治療法です。
一方、レーシックはレーザーで角膜を削ることで形を整え、近視を矯正する治療法です。
つまり、レーシック=手術です。
術後、元の見え方に戻したいと思っても、戻すことができないリスクを伴います。
レーシック後、裸眼でスッキリ!ところが老眼が出てくると…
仮に25歳でレーシックを受けたとして、裸眼で生活できるようになり満足だったとしても、40歳を過ぎて徐々に老眼が進行し、手元が見にくくなり老眼鏡を手放せなくなるといった問題が出てきます。
若い頃はピント調節力が強いため、レーシックで遠くを見えるようにしても、近くを見ることが容易にできていました。
ところが老眼になると、自身のピント調節力が衰えてくるため、近くがハッキリ見えなくなり、老眼鏡をかける必要が出てくるのです。
「せっかく眼鏡なしの生活ができていたのに…」となってくる訳です。
治療を受ける前にしっかり将来のことも考えて、検討していく必要があります。
オルソケラトロジーは手術不要の治療法!
オルソケラトロジーは就寝時に特殊なレンズを装用することで角膜の形状を整える治療法ですので、治療そのものはご自宅で行うことになります。
手術不要の治療法です。
治療を開始してから見え方に満足できなかったり、毎晩の装用が面倒になったりしても、治療をやめれば角膜の形状を元に戻すことができます。
リスク回避という点においても、オルソケラトロジーは優れています。
近視の進行を抑制できる!?
オルソケラトロジー治療において「裸眼で生活できるようになる」ことと並び、大きなメリットとなるのが、「近視進行抑制効果がある」ことです。
特に眼の成長期にあたる子供への治療に効果的で、数々の論文で治療成果が紹介されています。
近視の子供は、同じ生活環境が続く限り、近視がますます進行する傾向にあります。
その近視が進行するスピードを少しでも抑制することが重要です。
オルソケラトロジー治療を行うことで、近視抑制効果を得られることは大きなメリットと言えるでしょう。
オルソケラトロジー治療は、継続が命!
オルソケラトロジー治療では、レンズ装用をやめることで、角膜の形状を元に戻せる安心感がある話をしました。
裏を返せば、レンズを装用しなくなると、もとの近視の状態に戻っていってしまうことになります。
基本的には毎晩、就寝時にレンズを装用してもらうことが重要です。
睡眠時間=治療時間となる為、睡眠時間が治療効果に直結します。
6時間以上の睡眠時間が望ましいでしょう。
毎晩・毎朝のレンズケアも必須!
また、毎晩ご自身の眼に装用するものですので、レンズケアも重要になってきます。
これらが難しいと感じる方には、オルソケラトロジー治療は向かないと言えるでしょう。
ライフスタイルに合ったチョイスを!
このページをご覧の方は、きっと「裸眼で生活できるようになりたい」といった共通目標があるはずです。
オルソケラトロジーが良いか、レーシックが良いか?
それぞれのメリット・デメリットをご覧になり、ご自身のライフスタイルに合わせて最適な治療法をお選びください。
オルソケラトロジー VS レーシック 治療費比較
オルソケラトロジー 定額制の場合 Ex両眼1万円/月 |
1年目:120,000円/年 2年目:120,000円/年 3年目:120,000円/年 3年間合計:360,000円 |
レーシック 両眼手術 Ex片眼20万円 |
1年目:400,000円/年 2年目:0円/年 3年目:0円/年 3年間合計:400,000円 |
治療費は一例です。
オルソケラトロジー、レーシック共に自由診療となるため、施設により治療費やサービス内容が異なります。
詳しくは、各施設へお問い合わせください。