オルソケラトロジーという治療法をご存知でしょうか?
オルソケラトロジーとは、主に近視の方を対象とした視力矯正治療法です。
ある程度の乱視にも対応可能です。
アメリカやヨーロッパを中心に、世界各国で安全性・有効性が認められ、治療が行われています。
日本においては、2009年以降4製品が厚生労働省の承認を受け、徐々に広まってきました。2017年12月には、適応対象年齢が改訂され、対象がお子様でも治療できるようになりました。
どんな治療法なの?
治療法は、オルソケラトロジーレンズという、それぞれの眼に合わせた特殊な形状のハードコンタクトレンズを就寝前に装用し、朝起きたらはずします。
つまり、治療は寝ている間に行われ、日中は裸眼で過ごします。
オルソケラトロジーレンズを就寝中に装用することにより、眼の表面(角膜)の形を矯正し、裸眼視力を向上させます。
それにより翌朝レンズを外した後も、角膜の形状が矯正された状態を一定時間維持できるため、裸眼で過ごせるようになります。
オルソケラトロジー治療開始後、視力が安定するまでは個人差があります。
近視や乱視が強い方などでは、治療開始後も眼鏡やコンタクトレンズを併用して頂くことがあります。
オルソケラトロジーの原理は?
オルソケラトロジーの仕組みを理解するためには、近視の眼の状態について理解する必要があります。
近視の眼は、眼に入ってきた光が網膜(カメラでいうフィルム)の前方で結像してしまう状態です。
「遠くは見にくいけど、近くは見やすい」のはこのためです。
例えば、-3.00Dの近視の方であれば、30センチくらいの距離は綺麗にピントが合っていますが、遠くは眼鏡やコンタクトレンズを装用しないと、ぼやけてしまっているはずです。
これら近視の眼の矯正では、眼に入ってきた光が網膜上で焦点を結ぶように、光の曲がり方(屈折)を変える必要があります。
オルソケラトロジー治療は、就寝中にオルソケラトロジーレンズをつけて角膜の形状を矯正し、光の屈折率を変化させることでピントが合うようになります。